2015年10月11日日曜日

相棒season13最終回ダークナイトとは(ネタバレあり)


[ダークナイト]
2年間のうちに5件、警察が手を出せない(法で裁くことのできない)悪人に制裁を下すという傷害事件が起こる。ネットでは「ダークナイト」と呼び、正義の味方と位置付ける。ところが「ダークナイト」が殺人事件を起こしたことから、存在意義が問われるところから始まります。シーズン13のラスト、甲斐享を演じる成宮寛貴の卒業を飾る、重みのあるものとなりましたね。ある意味、彼の演技力に魅了される回だったともいえます。


<なぜカイトはダークナイトになってしまったのか>

ドラマ開始早々に「甲斐 享=ダークナイト」と明らかにしてきたところには驚きました。こんな入りでいいの??と思ったくらいです。ダークナイトとはネット内でつけられた名前です。享の親友(梶 雄一郎)の妹が、通り魔事件に巻き込まれ、亡くなります。事件の犯人は、脱法ドラッグによる心身喪失だったとして無罪になり釈放。釈放される、その時に梶は犯人を殺そうとします。それを止めたのが、享でした。
ラストのほうで分かることですが「梶に憎しみと言う感情だけで行動することが、愚かだということを分かってほしくて、自分が代わりに。」代わりにしたことで、ネットでダークナイトと呼ばれることにが始まりでした。


「ネットで「ダークナイト」と言われることに心地良く感じた。」「でも、よく分かりません。」という享に、?マークが飛びました。犯罪を犯し、ダークナイトでいる理由が分からないとな??
ある意味、犯行を犯すときに人は「よくわからないまま」の心情なのかも知れませんね。流されるままだったのか。それとも、父親である次長・甲斐峯秋が言うように「どうやっても杉下右京に勝てない自分をダークナイトになることで喝采を浴び、杉下右京を出し抜いた」と言う気持ちがあったのか。
ラストまできても決定的な、ダークナイトになった理由は分かりませんでしたが、享がこれから過ごす長い時間の中で答えがでて、罪を償ったあとに、また右京さんと会うシーンが見られるのかなと期待してしまいます。

<事件の内容は>

ネットで正義の味方のように注目されている「ダークナイト」は法で裁けない悪人に制裁を下す、傷害事件だけでしたが[市議会議員]殺人事件を起こします。そこで犯人とされ検挙されたのが、種村でした。
種村は自分が「ダークナイト」だと言い、今までの事件の犯行日時・現場・相手・相手の素性を正確に明かします。種村の自宅から、犯行時の着衣・凶器が発見された上に、着衣の血痕と被害者の血液が一致。
被害者を殴った時に骨折したこぶし。状況・科学的・物的にと証拠が揃い、疑う余地もなく「ダークナイト=種村」となったことで事件解決となり、周りも上も、犯人検挙に喜びます。
ただし、特命の2人は、彼がダークナイトではないと、独自に捜査をはじめるのです。
ここから右京さんと享は「ダークナイト=種村」ではないという考えは同じでも、持っていこうとする道が違っていたのです。右京さんは、「ダークナイトは誰なのか。どうしてダークナイトになったのか、今までのダークナイトの犯行と質が違うのはなぜか」と真実を追求。享は「ダークナイトは俺だから、模倣犯だということを証明する」
ここが大きなターニングポイントとなったように思えて仕方がありません。

<結末>

右京さんは、享が「ダークナイト」だと確信します。やはりここはいつもの右京さん、享に自白を促します。享もすべて話してましたね。
それにしても、享が右京さんに打ち明ける前の角田課長との会話のやりとりは切なくなりましたね。角田課長の人柄があのシーンにあらわれていて、うるっとしました。
享はダークナイトとして傷害事件を起こしたことを認めました。親友の梶も、享の代わりにダークナイトとして種村を襲ったことを認めました。議員の殺害はやはりダークナイトを種村が模倣したことも明らかになった。右京さんの事件の真実の追及も、享の模倣犯だと証明することも、どちらも出来た結果となったのですが。。。
切ないですね。
享が自ら話を始めるシーンあたりからの、右京さんから発せられる言葉は、享を信頼し可愛がっていたことがよくわかります。

<享にとっても良かったのかも>

ここからは、余談ですが。ダークナイトとしての自分・警察官としての自分の葛藤。恋人の病気・妊娠。右京さんとの信頼関係。次長でもあり父親でもある、甲斐峯秋への気持ち。いつかは「ダークナイト」をやめないとと思っていたかもしれません。結果としては、最悪な幕切れだったと思う方も多かったのではないでしょうか。
享にとっては終わらせてくれたのが、他でもなく「右京さん」で良かったと思っているのでは。
そうでなければ空港で「また会ってくれますか?」とは言わないでしょう。それに答えた右京さんの「2人はまだ途中じゃないですか。待っています」
これ、いつかまたの複線?!


父親との関係も修復出来たような気がします。「お前につけられた泥くらい洗い流せる」「お前にはいつも驚かされる」と一方的に話をして終わりかとおもいきや「歳とったね、おやじ」「ビンタ、昔のほうが痛かった気がする」
うるっときました。親子でありながら敬語だったのに、ここで壁がなくなったようで。享にとっては良かったのかなと。恋人である悦子さんも待っているし、償って戻っておいでー!!

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